立体駐車場の自転車レース「パーククライム」が、2015年2月2日の中日新聞夕刊紙面に掲載されました。
地方での大会や地方予選から全国大会へ...。
≫パーククライム公式サイト
浜松で誕生 パーククライム
全国大会へペダル踏む
浜松市で昨秋誕生した立体駐車場内での自転車レース「パーククライム」が、北海道から九州まで全国に波及し始めている。
浜松の主催者が構想する全国大会に向け、早くも地方予選の拠点が整いそうだ。
「世界大会も」「東京五輪の種目に」。関係者の夢は広がる。
パーククライムは「自転車初乗り指導協会」(浜松市中区)が昨年10月に同区の万年橋パークビルで始めた。
全国初の競技としてインターネット上のニュースやテレビなどで取り上げられた。
「百貨店の立体駐車場でも」。
スポーツイベントを企画する岩手県北上市のNPO法人フォルダの司東道雄さん(48)から早速、協会に連絡があった。
ニュースを見て「雨に左右されない。ちょうどいい駐車場がある」と思い立った司東さん。
地元北上市の百貨店を会場に行政からも「面白そう」と賛同をもらい、昨年11月に開催した。
新聞やネットで参加を募ると東北各地から40人の定員がすぐに埋まった。
参加者の要望を受け、夏に再び行う。
司東さんは「今後は全国大会の岩手予選をして、浜松で決勝をやってみたい。百貨店のある市中心部の活性化にもなる」と期待を込める。
司東さんに続き、「冬にスキー以外のスポーツを」と札幌市の企画会社から問い合わせがあったほか、埼玉県と北九州市のスポーツ団体からも地元で開催したいと連絡があった。
レースを企画中の北九州市のスポーツクラブの上村英樹理事長(52)は「車が通る路上よりも安全に、身近なところでレースができる。競輪のドームがある北九州は自転車愛好家が多い。競技を普及させ、東京五輪に向け盛り上がっていきたい」と声を弾ませる。
静岡県内では協会の主催で4月から、浜松市と静岡市、富士市での大会が決定している。
協会の代表 上嶋常夫さん(63)は連絡のあった各団体へ赴き、レースの説明に加え、町の活性化について話し合っている。
「全国各地の町おこしにつなげたい」と話し、さらに「世界にも進出して東京五輪の種目にしたい。ドバイみたいなレース専用のタワーもつくりたい」と胸を躍らせる。
日本で登録済みの大会名「パーククライム」の商標登録を米国でも手続き中。
世界を見据え、着実に準備を進めている。
(木許はるみ)